日本聴力障害新聞に掲載されました

8月7日

「ろう者との関わりで心が元気に」

 

 

 

みなさんこんにちは、

新免です。

 

日本聴力障害新聞8月1日号に、

さんさん山城職員・相良健太の記事が掲載されました。

 

 

 

日本聴力障害新聞の川本様、

全国ろう重複障害者施設連絡協議会の渡邊会長、

ありがとうございました!

 

紙面では文字数などの関係で

若干の修正が加えられておりますが、

せっかくですので、

以下に写真付きで原文を再掲いたします。

ご一読ください。

 

 

 

「ろうコミュニティの力」

 

   さんさん山城 職員 相良健太

 

 

ぼく(聴者)は24歳の時、

利用者としてさんさん山城に通所を始め、

この4月からは職員として勤務している。

 

 

 

SNSでの誹謗中傷や

いじめによる自殺が社会問題化する中、

ぼくも過去に自殺を考えた一人である。

 

それは小学生の頃に遡る。

毎日のように一緒に遊んでいた友達グループから、

ある日突然仲間外れにされた。

悪口を言われ、

みんなから無視された。

家に帰ると涙が溢れた。

ショックで学校へ行けなくなってしまい、

そのまま小学校生活は終わった。

中学校は三年間で一日も登校しなかった。

家族以外誰とも会わず、

一日中ゲームをして過ごした。

幻聴や鬱(うつ)に苛まれ、

15歳の夏、

親に連れられて行った病院で

「統合失調症」の診断を受けた。

深い絶望感に包まれるぼくを嘲笑うかのように

診察室の外ではセミが鳴いていた。

そして先の見えないひきこもり生活は

約13年間続いた。

 

 

2015年、

相談員の勧めで

就労体験ができる事業所を何ヵ所か回った。

そのうちの一つがさんさん山城だった。

農作業で土と戯れ、

 

 

 

 みんなと一緒に汗をかくのが気持ち良かった。

 

 

 

 少し勇気を出して、

さんさん山城に通うことにした。

 

通所当初は手話が全く理解できず

苦しかった。

でも、さんさん山城のろう者達は優しかった。

休憩時間、根気よく手話を教えてくれた。

 

 

 

 「もっとろう者と話がしたい」。

そう思い、こっそり本を購入して

家で手話の勉強を始めた。

次の日、覚えたての手話を使って

話しかけてみると、

ろう者はニコリと手話で返事をしてくれた。

ぼくは嬉しかった。

 

さんさん山城では

農業だけでなく、菓子加工も担当した。

 

 

 

菓子作りの工程は覚えることが多く、

未経験のぼくは失敗することもあった。

しかしそんなときも

ろう者は手話で「大丈夫」と

言ってくれた。

優しかった。

 

 

 

今、この時間も

過去のぼくと同じように

イジメやひきこもりの生活で

苦しんでいる人が多くいるだろう。

 

ぼくも毎日薬を飲み、

病気と闘い、苦しかった。

でも今こうして過去を振り返ってみると、

あの13年間のひきこもり生活は

自分にとって必要な時間だったと思える。

これからはぼくの心を元気にしてくれたろう者と共に、

ぼくは元ひきこもりの当事者として、

社会で生きづらさを抱えている人を

サポートできたらと思う。

今のぼくみたいに

「人生は楽しい」

と感じてもらえるように。

 ~終わり~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さんさん山城のホームページでは、

相良さんのことを

引きこもり界のカリスマ」、「TVスター」などと、

明るく紹介しておりますが、

本人にしかわからない、

辛く、苦しい毎日だったことは想像に難くありません。

そんな相良さんはさんさんに通い始めて、

そこに自分の居場所を見つけ、

社会の一員として活躍することで、

自分の過去を少しずつ、すこしずつ心の中で整理し、

自己肯定の気持ちを醸成させていきました。

 

本文にもありますとおり、

引きこもりの経験も自分の財産と捉え、

そしてその財産を

「相良さんにしかできない支援」という形に変えて、

今後さらに活躍してくれることと期待しています!

 

 

 

 

 

 

 

 

さんさん山城コミュニティカフェ

コロナ対策をしながら営業中!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さんさん山城は今日も一日、さんさん笑顔!

ではまた★

 

 

 

 

 

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