「協働(co-product) ~受容と共感~」(慶応義塾大学大学院 田中力)

5月25日

「さんさん山城という空間」



慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科の
田中力(たなか つとむ)さんが
4月にさんさん山城へ来られました。

そのときの記事を書いてくださいましたので、
ここでご紹介させていただきます。

引用:Facebook(Tsutomu Tanaka)から



「さんさん山城という空間」
場所は京都、時は4月末。

聴覚障害者の就労を支援する場があり、
ここの視察・体験に行ってきた。
時間が経過してからの投稿には訳がある。
考えさせられることがあったからだ。

筆者・田中力(慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科)


さて、
この就労支援事業所、
コミュニティカフェを併設している。
日替わりランチが人気だ。
田中が行った時間は昼過ぎ、
既に日替わりランチが売り切れていた。
そこに女性陣3人がやってきた。
お目当ては日替わりランチ。
売り切れとなり、がっかりされていた。
ここまではいい。
何やら3名とも手話を使うではないか。
どのように話が始まったかは覚えていないが、
田中とも手話で会話をした。
・健常者3名
・奈良から来た
・よく来る
・手話をやり始めたのはここに来てから
・メニューを伝える時に手話で伝えたい


「これあげる」。
そういって渡されたのが、
写真の抹茶ポン菓子だ。

さんさん抹茶ポン菓子(さんさん山城産手摘み宇治抹茶使用)


さんさん山城で販売されていたものだ。

なぜだろう?

ご飯を食べに来ているだけではないのか。
そもそもメニューを伝えるためだけに
手話をやるだろうか?
しかもわざわざ他県から来るという。
見ず知らずの者にポン菓子を購入してくれる。

なぜだろう?

施設の利用者、管理者「以外」の来訪者とも、
さんさん山城との関係性が生まれている。
初めての田中すらとも、関係性を感じる。
解放的で、多様性を含み込んだ関係性がある。

異質なものを「異質」とみなさない。

そのことは
誰もが「当事者」になることに
つながっているのではないか。

「分断」
生まれていないというより、
そもそもない。
「排除」がない。

空間そのものが、
「受容」「共感」を生み出している、
だから居心地がいいのだろう。

偶発的な出会いがあり、
お互いが目的的ではなく、
その中でコミュニケーションが生じた。
田中と女性陣のコミュニケーションで、
「情報」を取り交わしたのではないと思う。
おそらく「当事者」として、
「双方が場をつくる関係性」だったのだろう。
田中はそのように感じた。

「協働(co-product)」

この言葉がしっくりくる。
言語化するのがとても難しいひと時を過ごした。

さんさん山城……。
いまの日本に必要なことを
実践していると感じた。





抹茶小僧(さんさんとゆかいな仲間たち




さんさん山城コミュニティカフェ
5月30日(火)から営業再開します。






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